会員の事故例を元に事故の起きた場所や状況をグラフ化したものです。
繰り返し繰り返し同じような状況で事故が起きていることがおわかりいただけるでしょう。
この事実を知っているのに、乳児の急死を回避できる術をしっているのに、それを危険だと告知せず、繰り返し起きている事故を防ごうとしない国の体勢を疑問に思うことでしょう。
私達の会では、会員の中の事例でしか見ることができませんが、国が調査を行えば、この統計よりも、さらに明確で詳細なデータを得ることができるでしょう。
国が調査するとき、人選に注意しなくてはなりません。
真実を知ることを恐れず、真実だけをくみとろうとする姿勢のある医師であり研究者であり事故をよく知るものも含め、さまざまな立場の者にしなくてはなりません。
正しい人選により、調査され、それが研究につながり、危険を回避できる策を国としてとることができるよう強く望みます。
施設における事故調査事例を公表するにあたって
平成7年から始まった、ISAの活動も8年を数え、当会に寄せられた相談件数も100件を越えました。
いずれの事例にも非常に似通った傾向が示されています。
「うつぶせ寝」、「保育士あるいは看護師不在」、「長時間放置」、「死後の発見」。
同じような状況の中で悲劇が、繰り返し起こっているのです。
この事故調査事例が訴えている事実を、子育て中の親御さんたちや、赤ちゃんに携わる保育士・看護師の皆さんに知っていただき、大切な赤ちゃんの命を守るために参考にしていただきたいと思い、公表しました。 |
病院と保育所の割合
|
病院と保育所では、保育所の方が割合が高いようです。
病院内で事故が起きる場合、院内での事故ということで、直ぐに対応し、蘇生されるケースもあります。
しかし乳幼児の場合、発見が早く助かったとしても、障害などが残ることがほとんどです。
事故が起きないよう、大勢の乳幼児をみるばあいには、少しでもその場から離れないことが重要です。
少ない看護婦や保育士では、その場を離れずにみていることは難しいのです。
経営者がどこまで患者や園児のことを考えているかどうかにかかっています。 |
|
病院内での割合
|
病院の中で、赤ちゃんが急死するのは、やはり、赤ちゃんが大勢いる新生児室が多いようです。
出産直後の事件が多いようで、現在、出産時に親が休めるよう、新生児室で赤ちゃんを預かるという体勢の病院が多いですが、しかし、赤ちゃんを預かっているのに、人手不足から新生児室に看護婦が不在している時間が長いことが事件を引き起こす、大きな原因となっているようです。
また、病院だからといって安心して預けてしまいがちですが、病院によっては心配りの足りないような寝具を使用(軟らかい布団をつかったり、ベッドの形にあっていないものを使っている)しているところもありました。 |
|
保育所内での割合
|
保育所では、認可されていない保育所の事故が目立ちます。
最近では「ちびっこ園」や香川の「小鳩幼児園」がありました。
認可外保育施設では、利益を得るために、過剰に人件費削減を行っているところもあり、事故がおきやすくなるようです。
これからも認可外保育施設が増えていく傾向にある中で、乳幼児が危険にさらされないよう、ある程度の規制を国として設ける必要性にせまられています。 |
|
病院と保育所の割合
|
グラフをみてもうつ伏せ寝に寝かされて死亡した事例が多いことがわかります。
また、解剖の結果がたとえ窒息の疑いや窒息死であったとしても、SIDSと当事者に言われ、裁判をしているケースもあるのです。
この表の分類はあくまでも初めて出た解剖の結果によるものです。 |
|
発見されたときの体位
|
発見時、ほとんどの事件で赤ちゃんは『うつ伏せ寝』になっています。
このことからも、うつ伏せ寝の危険性がわかります。
もし、赤ちゃんをうつ伏せ寝で寝かせるときは、目を離さないようにしましょう。
また、布団などの状況によっても変わってきます。
乳児には、あまり柔らかい布団を使用しないようにしましょう。 |
|