会長から、あいさつ
SIDSヘの私たちの地道な反論・批判は、事実や赤ちゃんの発達にそったものでした。このような道理のある主張は、研究者や小児科医の皆さんに理解され始めているのだと思います。
SIDSが鑑定医によって大きく判断が分かれているという実態は、学問的にも大きな疑問が投げかけられています。
私たち子供を亡くした親が、子供の奪われた未来に思いを寄せながら、二度と同じことを繰り返させないという、心のそこからの重い叫びをあげ続けていることが反映されているからだと思います。
最近、誠実な当事者によって事実が明らかにされた時は、和解の動きも出てきています。
SIDSを持ち出せば、「密室での出来事だから」と、当事者の過失を全て消し去る事ができる時代は、確実に過去のものになっています。
赤ちゃんの急死をSIDSだとして納得できない現実があるから、子供を亡くした一人一人が悲嘆に暮れて時間を過ごすことができないのではないでしょうか。
「うつ伏せ寝」「長時間の放置」「死後の発見」という共通の事実が、死にいたらしめた当事者がいうSIDSという主張に、素直に同意できないのだと思います。私たちの経験では、当事者は、まず自分の立場を守ろうとします。
赤ちゃん故に物言えず、密室故に簡単に真実が隠蔽されていました。このような実態を、多くの事実の積み上げの中から突き崩しつつあるのが現在の状況です。急に命を失った赤ちゃんの親として、真実を明らかにする活動を続けることは、今重要なときを迎えているのではないでしょうか。
親の想いが更に広がり、悲しい想いをする親がいなくなるように、必要な活動を積極的に続けて生きたいと考えています。
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発足にあたっての想い
1993年2月、私の赤ちゃんは新生児室でうつぶせで死んでいるのを看護婦に発見されました。事故当時、病院側は窒息と認め、警察の実況見分、司法解剖の結果も窒息でした。
しかし、半年後に一転して、病院側は「SIDSだから責任はない」と主張するに至りました。
「何故、我が子が死ななければならなかったのか」 「SIDSと窒息の違いは何か」 真実を求めて立ち上がりました。
同じ境遇の方々と出会い、情報交換の場をと、この会を結成するにいたりました。ISAの会員のほとんどの事例で、「うつぶせ寝」 「長時間の放置」 「死後の発見」 という共通点が見られ、同じ状況の中で事件・事故は起きています。
過去の事件・事故で得られる教訓が活かされず、未来を担う命が無駄に失われているのが現状です。
「SIDS」は原因不明の病死です。しかし、我がISAの会員の事例は全て病死では納得できない死亡状況があります。
私達、ISAは、同じ境遇のメンバーと、この会の活動に賛同しサポートしてくださっているサポート会員で成り立っています。
ISAは、「SIDS」と「窒息」の差が一見では区別しにくいものであるのに、「SIDS」と「窒息」では事件に対する結果に大きな違いが生ずることを訴え、過去の事件を参考にし、「SIDS」を診断するときの基準を詳細に定めること、死亡状況を解剖医が正確に把握するシステムを作ること、事故を防ぐための策を病院・保育所の体制に活かされるようにすることを望み活動を続けています。
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会則
(名称)
本会は「赤ちゃんの急死を考える会」、通称 ISA(Infant Safety Alliance)といいます。
(目的)
本会は病院や保育施設で急死した赤ちゃんや一命はとりとめたものの重い障害が残った赤ちゃんの事例からその原因を明らかにし、赤ちゃんの命と人権を守るため看護・保育の改善を求めて活動します。また親への各種サポートをおこないます。
(活動)
本会の目的を達成するために、次のことをおこないます。
? 年1回総会
? 年2〜3回ミーティング(会員相互の交流)
? ニュースの発行
? 赤ちゃんの急死をなくすための関係諸機関・団体への働きかけ
? 赤ちゃんの急死をなくすためのシンポジウムの開催
? 専門家による講演会
? 事故事例の調査および関係文献・論文の収集
? SIDSについての勉強会
? 会の冊子、パンフレットの作成などの広報活動
? その他会の目的を達成するための諸活動
(会員)
病院や保育施設で赤ちゃんを亡くした親、あるいは一命はとりとめたものの重い障害が残った子供をもつ親と、それを支援する弁護士を正会員とします。また、この会の趣旨に賛同される方はどなたでもサポート会員として入会できます。
(会費・会計年度)
会費は 正会員 年5,000円、サポート会員 年1,500円とします。本会は会費、寄付金などにより運営します。
本会の会計年度は、8月1日より翌年7月31日までとします。
(世話人)
世話人は総会で承認を得て決定します。世話人の中から会長1名、副会長1名、会計1名を互選します。
本会の運営は、世話人会議で協議して会員に知らせていきます。
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会の概要
名称: |
ISA(Infant Safety Alliance) 〜赤ちゃんの急死を考える会〜 |
設立: |
1995年11月 |
会長: |
櫛毛 冨久美 |
副会長: |
小山 義夫 |
会員数: |
1115名 |
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会員の内訳 |
赤ちゃんの急死を考える会 |
150名 |
真理子ちゃんの死を無駄にしない会 |
450名 |
和ちゃんのうつ伏せ寝死裁判を支える会 |
110名 |
ちびっこ園問題を考える会 |
5名 |
ひときちゃんと両親を支える会 |
400名 |
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会の沿革
平成07年11月 |
うつ伏せ寝を考える会を発足し活動を開始 |
平成09年08月20日 |
赤ちゃんの急死を考える親と弁護士の会を発足 (当時会長:森岡廣茂) |
平成10年05月 |
和ちゃんのうつぶせ死裁判を支える会が加わる |
平成13年07月23日 |
ちびっこ園池袋西で亡くなった方のサポートを開始 |
平成13年07月 |
ちびっこ園問題を考える会が加わり、ISAとして活動を開始する |
平成13年08月05日 |
会の名称を「赤ちゃんの急死を考える親と弁護士の会」から、「赤ちゃんの急死を考える会」に変更。
略称を「ISA(アイ・エス・エー):Infant Safety Allaince」とする |
平成14年03月 |
香川「小鳩幼児園」で亡くなった方のサポートを開始 |
平成14年03月 |
ひときちゃんと両親を支える会が加わる |
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平成23年12月 |
被害者、ご遺族の相談およびサポート、乳幼児の事故に関する調査、事故防止に関する講演、報道機関からの取材、各関係機関への申し入れ、その他、さまざまな活動を行いながら現在に至る。 |
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